2011年2月20日日曜日

事業計画書の中身 その5

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10.マイルストーンのサービスの特徴

10-1.市場について

事業の成長から成熟 競争 衰退という一連のプロセスは以前なら

長くて20年から30年 短くて10年と言われていました。

従って ひとつの事業を軌道に載せれば 最低でも10年は その分野で

売上を上げることができたのですが 現代のビジネス環境では

5年もその寿命を全うすることは難しいだろうと言われています。

 

一方で 新規ビジネスを 新製品の企画会議 設計 開発 製造

マーケティングというプロセスを経て市場に出したのでは 類似品が

すでに多数存在し 商品価値が評価されないということも有り得る

わけで 企業は発想の転換をもって大胆に 既存の事業のリデザインを

実施する必要がありますし 新しいビジネスモデルの開発にも

果敢に挑戦し続ける覚悟が必要になります。

 

これからの専門知識を売りにしているコンサルティングや士業は

専門知識を丸暗記して伝えるだけで通用していた時代から

新しい知識を いかに陳腐化しないうちにビジネスに結びつけるかで

評価されるそんな時代になったと思います。

 

マイルストーンの目指す個人向けのコンサルティングは ドラッカーや

ポーターや コトラーの理論を振りかざすのではなく 既存の知識を

癒合し発想の転換をもって新しい知恵を生み出し 既存の事業の

リデザインや新しいビジネスモデルの設計をお手伝いし 具体的な

行動に結びつけるお手伝いをすることだと考えています。

 

マイルストーンでは 多くの個人事業 中小企業の経営者の方の本音は

以下の3点であろうと予想しています。

 ◇ 長年同じ顧客から注文を頂いているうちに利益率が低減してしまった

 ◇ 過去 自社製品を作って市場に出したことがあるが 実績が思うように

   上がらなかった経験があり 新商品のアイディアはあっても製品化

   することを躊躇してしまっている

 ◇ 経営に大きな支障が出ているわけでもないのに 業務改革や

   コンプライアンス経営の導入なんか考える必要はない

 

この問題を解決する手法としては、以下の3つが考えられます。

 ◇ 利益率を上げる為に 商品・サービスのコスト低減を目的とした

   業務改革、あるいは商品・サービスの付加価値の追加を

   実施することです

 ◇ 新しいビジネスの種に眼をやり 多くのビジネスモデルを企画設計し

   プレマーケティングを繰り返すことで新商品・サービスの可能性を探り

   その新商品を持って新規顧客の獲得を目指すことです

 ◇ 今後も 自社のステークホルダーから信頼を得て継続した注文を

   頂くために 毎日のように報道される企業犯罪を他人事と思わず

   危機意識を持ってコンプライアンス経営の導入を図り 業務の改革を

   継続して実践してゆくと決断することです

 

上記の3つの問題解決策を実行するには

業務提案箱を作ったり

新規事業のアイディアコンテストを実施したり

社内から勇士を募り組織を作ったりすることで実行してゆくことになると

思いますが ここにコンサルタントのニーズがあると考えております。

 

例えば 従業員が十数名の中小企業の場合

一般社員1人分のコストでコンサルタントと契約でき

会社の課題を解決したり

新規事業を推進したり

収益体質に変えていくことができれば

とても安い買い物になるであろうと考えています。

 

しかし 大手コンサルタント企業のコンサルタント費用は

1日当たり10万~15万円くらいに設定されており

中小企業ではなかなか採算が合わないものと思います。

経営コンサルティングの企業は 全国に約5000社あると言われていますが

業界のトップのアクセンチュア株式会社で従業員2500人売上約500億円

上場企業としては船井総合研究所があり 従業員460人売上高86億円

であり 企業数では 売上高10億円未満の中小コンサルティング会社が

全体の約95%を占め 従業員9名以下のコンサルティング会社が

全体の約80%を占めています。小規模の企業が圧倒的に多いというのが

特徴となっています。

 

今後も、大手経営コンサルティング企業が台頭するのではなく

個人事業や小規模のコンサルタント企業の数が増えてゆくという傾向に

あるものと思います。

 

最近のコンサルタントの傾向としては 基礎となる理論をふまえた上で

株式公開の実務責任者として活躍した人

ベンチャー企業の新規事業の開発を実戦きた人

企業の破綻を実際に経験してきた人などが

自らの実務経験を元に実務の支援によって結果を出す

「成功請負人」のようなスタンスのコンサルタントが増えているようです。

マイルストーンのスタンスも、この成功請負人でゆく予定です。

 

そこで、マイルストーンでは 忙しい経営者の方に時間もコストも

あまり負担の掛からないメールコンサルティングの導入をお勧めし

情報の交換を実施しながら業務改革や新規事業の企画設計などの

ご相談にお答えしてゆきたいと考えております。

 

10-2.マイルストーンのサービスの独自性

マイルストーンのノウハウは 問診表形式あるいはワンポイントの

アドバイスとして また セミナー形式としてまとめあげた白珠塾の

コンテンツにあります。

 

さらに 独自に開発したテキストマイニング手法を使って

公開情報や 営業情報・日報・議事録・アンケート等に埋もれている

新しいビジネスチャンスの芽 プロセスのチェック漏れ 危機の兆し等を

抽出し 次のアクションへと繋がるアイディアの種として

発想の転換を促すこともマイルストーンの競争力となるノウハウだと

考えています。

 

◇ おしごと診療所について

  おしごと診療所では 個人事業 中小企業の経営者の方が

  事業の棚卸 事業のリデザインをされたいという時にサポートを

  させて頂くものです。白珠塾にまとめあげたノウハウを背景に

  メールコンサルティングと面談により 事業の悩みをお聞きしながら

  時間を掛けて思考のサポートをさせて頂きますので カウンセリング的な

  要素も含めおしごと診療所の効果を実感して頂けるものと思います。

 

◇ 白珠塾について

  白珠塾のコンセプトは 経営者のエンプロイアビリティの向上を図り

  事業を見極めるスキルをアップして頂くことにあります。白珠塾では

  クライアントの取り組み易い視点から問診表形式で事業の棚卸を

  実施して頂くようにしており ひと通りの質疑応答を終えて頂いた

  時点で 必ず何らかの気づきを感じて頂けるものと思います。

 

◇ 往診パックについて

  往診パックは 経営診断や業務分析をさせて頂くのが目的ではなく

  業務改革、新規事業の設計等がお客様の思惑と異なり遅々と

  進まないような時 お伺いして進まない理由についてお話を

  お聞きしながら 問題点を抽出し具体的なアクションにつながる

  アドバイスをさせて頂くものです。

 

◇ 問診サービスについて

  お仕事上の問題が山積みになってしまった時 頭の整理が必要ですが

  なかなかひとりでは実行出来ないものです。こういう時は 身近な

  友人や上司より 遠くの他人の方が正確な分析をしてくれるものです。

  いろんなことが一度に起こってしまい何から手を付けて良いか

  分からないので とにかく現状打破の方法について相談してみたい方

  アイディアはたくさん思いつくのだけど具現化の可能性について話を

  聞いてみたい方など そんな皆方とお会いして情報の整理を

  お手伝いするサービスです。

 

10-3.既存事業との競合状況

◇ サービスのニーズと顧客の規模の関係

  おしごと診療所・往診パックが対象とするクライアントの事業規模と

  そのニーズの高さのイメージ図を描くと、以下のようになります。

  おしごと診療所・問診サービスの顧客としては 個人事業や

  年商10億円以下(従業員50名以下)の中小企業の経営者の方が

  対象となると予想しております。また 往診パックについては

  個人事業主よりは 企業の経営者からの依頼が高いであろうと

  予想しています

【 図6:サービスのニーズと顧客規模の関係 】 

図6


◇ サービスの1ユーザー当りの売上高と顧客規模の関係

  1クライアントから頂く年間の料金としては おしごと診療所の12ヶ月の

  契約高¥60,000から お任せパックで面談期間を10日間程度と

  見込んだ¥420,000が最高額になると予想しています。

【 図7:1クライアントの年間売上予想高と顧客規模の関係 】

図7


◇ 競合との関係

  コンサルタント業を分類すると以下の5つのグループに区分されますが

  おしごと診療所は 業務改革や新規事業の企画設計のアドバイスを

  する要素と 社会人教育的な要素の両面を持つので 総合研究所の

  機能を持ったメールコンサルティングサービスという位置づけになると

  考えています。また 問診サービスもおしごと診療所サービスの

  一部だと考えております。

 

 ◇ 戦略的コンサルティング

   トップマネジメントの問題解決を目的としたものです。

   「都市化計画」や「流通業界のトレンド」といった 抽象的なテーマを

   得意としています。代表的な会社は マッキンゼー ボストンコンサル

   ティングといったところです

 

 ◇ 会計事務所系コンサルティング

   ITのインフラから業務プロセス 組織構成 人事といった幅広い

   領域別の専門のコンサルタントを揃えて 総合的にクライアントの

   業務変革をサポートします。ビックなプロジェクトが多く 「全国の

   営業拠点のPOSシステムを導入しSCMの導入を図る」などといった

   内容を得意とします。代表的な会社は アクセンチュア ベリングポイント

   IBMビジネスコンサルティング キャップジェミニ・アーンスト&ヤング

   アビームコンサルティングがあります。

 

 ◇ ITベンダー

   システムインテグレーターとしてシステムそのもののコンサルティングに

   加えその前段階となるビジネスコンサルティング領域まで商売の幅を

   広げ業務改革を提案します。IBM HPや EDSなどのビックネームが

   あります。さらにSAPのような「ERPパッケージ」「CRMパッケージ」など

   のソフトウェアを販売しているベンダーもここに入ります。

 

 ◇ 総合研究所

   大手の銀行や証券のグループに属している総合型のコンサル

   ティング会社です。ひとりのコンサルタントがコーチ形式で

   複数の会社を見るというスタイルを取っており 通常のチームを

   組みプロジェクトでコンサルティングを行う会社と大きく違います。

   特徴として、企業研修が収益の大きな柱になっていることで

   システムの導入から 経営戦略 人事戦略 マーケットリサーチまで

   幅広く業務を手掛けているところが特徴です。

 

 ◇ その他

   ある領域にだけ特化したコンサルティングを提供します。

   「人事・年金」「小売、医療業」といったもの、「建築コンサルタント」

   「環境コンサルタント」や「話し方コンサルタント」といったものまで

   いろいろあります。

 

【 図8:おしごと診療所とコンサルティング会社の相関関係 】

図8

 

マイルストーンの提供するサービスの価格の面からすると

以下の3つのサービスが競合と認識されると考えます。

白珠塾の社会人教育的な要素はビジネス書と競合し

往診パックは公共機関と競合し

ナレッジアセットは会員制コンサルティングと競合することになると

考えています。

 

 ◇ ビジネス書

  経営を学ぶには ビジネス書が一番手軽です。コンサルタントを

  雇わなくても良書があれば 2000円程度で非常に多くのことを学べます。

 

 ◇ 公的機関

  中小企業支援センターなどの公的機関に登録しているコンサルタントに

  無料で相談を受けることができます。全国の都道府県にあり 比較的

  簡単に利用できます。私も商工会議所のエキスパート 産業振興財団の

  専門家に登録しておりますが 費用がない場合は利用するように

  アドバイスさせて頂いています。

 

 ◇ 会員制コンサルティング

  「顧客獲得実践会」「売上増進研究会」のような 会員制で中小企業を

  サポートしながらノウハウを提供しているコンサルタントがこれに

  あたります。通常のコンサルティングは1対1でサポートしますが

  この会員制のコンサルティングは1対多でノウハウを提供するものです。

  少ない費用でノウハウを習得したい個人事業 中小企業の経営者に

  とって便利です。

 

 ◇ 競合との差別化

  マイルストーンとしては もうしばらくは個人事業として展開してゆく

  予定なので 対応できる業務内容には限界があり 総合研究所と

  コンサルティング内容を比較されても 叶うものではありません。

  ただ 私が実際に業務改革を実践し 新規事業の企画設計をし

  プロジェクトを運営してきた実際の経験を元にアドバイスさせて頂く

  内容は 実際に行動を起こすという面からすると 決して劣るものでは

  ないと自負します。

 

  白珠塾の社会人教育的な側面は 過去の社会人教育の現場に

  携わった経験を元に エンプロイアビリティの向上に必要と思われる

  項目について 日々メンテナンスを加えながら制作したコンテンツを

  すでに用意しており 内容的に優位性があると自負しておりますし

  新たなコンテンツ開発も 積極的に実施してゆきたいと考えております。

 

  公共機関と比較される往診パックは 私自身が専門委員として登録して

  いる事実をもって その付加価値を評価して頂くようにお願いしたいと

  考えています。どうしても、公共機関を利用したいという要望がある

  場合は 私を指名して頂いて 補助金を利用して頂くことも提案して

  ゆきたいと考えております。

 

  将来のビジネスモデルとして考えているナレッジアセットは

  会員制コンサルティングと競合するものと予想しますが

  会員はオープンマーケットで集めるのではなく おしごと診療所の

  会員を誘導することを前提にしておりますので 競合するより

  他の会員制コンサルティングとコラボレーションを前向きに

  検討してゆきたいと考えております。

 

【 図9:白珠塾とビジネス書の関係 】

図9

【 図10:往診パックと公的機関の関係 】

図10

【 図11:ナレッジアセットと会員制コンサルティングの関係 】    

図11

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