2011年4月22日金曜日

経営者から社員に向けて

こうして失敗から学ぶというテーマで

お話をしてきましたが 結局 経営者が学ぶべきことは

社員との堂々とコミュニケーションを図る

覚悟することだということです

 

経営者は 恥ずかしがらずに社員にメッセージを出すことです

業界の動向

売上実績について

売れ筋商品と競合について

新商品の開発と販売開始予定

売上予算について

売上を達成する為に実行して欲しい内容

社員全員が営業である

顧客満足の向上

ほうれんそうの徹底(報告・連絡・相談)

業務の改善を提案して欲しい

新規事業の企画を出して欲しい

 

そして みんなの前で公言するんです

当社はコンプライアンス経営の徹底を図ります

危機に陥らないための危機の予防(リスクマネジメント)

発生した危機への対処(クライシスマネジメント)を導入します

 

こうやって並べてみると

当たり前のことをすることなんです

言っても無駄だ とか

恥ずかしいじゃないか とか

いまさらこんなこと言わなくても分かっているさ とか

やらない理由を並べるのではなく

有言実行であることなんですな

やりまひょ~ やりまひょ~ やってみまひょ~

2011年4月19日火曜日

クレームへの対応

クレームへの対応の基本方針は

十分に話を聞く

第三者に説明できる常識ある対応プロセスを取る

法律に基づいた公正 公平な対応を行う

これなんですね

 

基本的な対応の考え方

一般の苦情には

誠意をもってお客様が

満足して頂けるような対応をしなければなりません。

 

難しい苦情には

粘り強く、納得してもらえるまで

対応し続けなければなりません。

 

悪質な苦情には

毅然とした態度で臨み

決して妥協してはなりません。

スライド28

スライド29

クライシス・マネジメントの原則原理

162

クライシスマネジメントの基本的な姿勢は4つあります

隠さないこと

隠蔽は最大の企業リスクにも関わらず

公になった時の影響を考え 問題を公にしたがらないものです。

企業が自ら事故の報道をすると

批判報道は避けられませんが

隠蔽体質という悪意に満ちた報道は避けられますし

さらに憶測報道も避けられます。

これからの情報公開時代の中で生き抜くには

報道をいかに防ぐかを考えるより

いかに報道を一回で終わらせ

連続報道を避けるかであると心掛けるべきだと思います。

 

説明する

企業は ステークホルダー(利害関係者:株主、消費者、従業員

取引業者、地域社会、行政等)に対して

説明責任を果たす必要があります(アカウンタビリティ)。

世間に対してひたすら頭を下げているだけでは

ステークホルダー側はフラストレーションが溜まるばかりです。

 

いつ何が起こったのか

被害者は拡がるものなのか

なぜ事件が発生したのか

責任の所在はどこにあり

それはどのように果たされるのか

現在 どのような対策を講じているのか

同種の事件は他では起きていないのか

これを 包み隠さず 情報公開する覚悟が必要なんです

 

決断する

明確な企業理念 価値基準が必要です。

何を守るために

何を捨てるかという捨てる決断が一番大切なのです。

短時間で集中的な議論を行って

可能性のある選択肢の利害得失を十分に検討した上で

迅速な決断を実施する必要があります。

スライド27

クライシスネジメント

リスクマネジメントから漏れた危機に対応するのが

クライシスマネジメントになります

クレーム電話のたらい回し

トラブル対応を放置してしまった

上司への報告を怠った

事実の隠蔽

顧客が言い掛かりをしてきたという先入観で対応してしまった

クレームゼロなんてあり得ません

 

ほとんどの顧客は、サイレントクレーマーと言われています

企業に対してはサイレントで済みますが

友人や近所の知り合いには

サイレントではいられません。

 

クレームを申し出てくれる方には

感謝しなければならないのかもしれません。

情報が正確に伝達される環境の構築が

緊急事態への対応力となるわけです。

 

スライド26

2011年4月16日土曜日

与信管理のリスクチェック

営業にとって取り引き先をチェックするのは

大切な仕事のひとつですが

ただただ 漫然とお客さんを訪問していたのでは

そこに眠るリスクを嗅ぎ分けることは出来ません。

良好な取り引きを続ける為にも

危険信号を読み取るための

チェックリストを用意する必要があるのではないでしょうか

 

資金面の変化
主力銀行が変わった
取引先の倒産が目立つ
現金払いが減り手形払いが増加
支払日を変更する(サイトを長くする)
手形サイトの延長の依頼
取引面の変化
売上の低迷が続く
安値販売が目立つ
在庫の増加が目立つ
根拠のない発注の増加
その他の変化
社長・経理幹部の不在が多い
有力な役員の突然の退任
幹部・経理幹部の退職
社長の健康の不安・長期入院
赤字部門のリストラが進まない
有能な従業員の退職が目立つ
不審な人物の出入り
本業以外への投資が目立つ

こんな情報を感じ取ったなら

次にどのように対応するのかを決めておくのが

与信におけるリスクマネジメントというわけです

 

例えば ・・・

取引枠の見直し

新規受注の禁止

残債の早期支払い依頼 ・・・ いろいろ対応策はありますね

2011年4月13日水曜日

リスクマネジメントの事例

リスクを回避するには 五感を研ぎ澄まして

そこに漂う 違和感を感じなければなりません

 

例えば 営業マンが定期訪問時に収集できる危険信号といいますと

応接室・面談スペースに置かれているモノの変化です

また 短期間に取り扱っている商品が変わったり

ビジネスには関係なさそうな装飾品が

目に付くようになっていたりしたならば

要注意ということになります

 

短期間の内に取り扱い商品が大きく変わったのであれば

それは資金繰りの悪化に伴い

資金化しやすい商品へシフトした可能性が高いと

考えるべきではなんですね。

 

それと相手の方の手先を良く見ることなんですね

いつも会っている面談者と話をしている時

もし 仮にあなたに悟られたくないことがあったならば

それを隠すために面談者はかなり緊張していますからね

手の動きが 非常に不自然なものになるんです。

 

ちょっと何か変だなと思いましたらね

どうすればいいかと言いますと

少々長い沈黙を保てばいいんです。

 

面談者は たまらず あなたの前で

指先を不自然に動かすことになると思いますよ。

 

それを 確認しましたら

そのまま 当人から事情を聞き出すことに注力するか

その会社の噂を周辺の企業から聞き出すか

次の実施すべき内容を早々に吟味することになるわけです。

 

リスクマネージメントとは 特別なモノではなく

日常業務の中にある 違和感を感じることなんですね

2011年4月8日金曜日

就業規則で実践すべきリスクマネジメント

115

例えば 社員がマイカー通勤途中で事故を起こして

しまったような場合はどうでしょうか 

この場合 企業側の運行供用を認めた判決が出ています

(1989年6月最高裁判決)

その背景としては

マイカー通勤を禁止する明文化した規程がなく

企業側が事実上の利益を得ているとされ

会社の側に駐車場も用意していて

マイカーの運行に直接または

間接的に指揮・監督が出来る立場にあったとされたのです

 

車両管理規程の作成と運用の徹底が求められます

マイカーの使用については

通勤時等も含めて社会的責任を持たせる意味から

任意保険への加入を強制すると同時に

社用車の使用時には公私のけじめを明確にする必要があります。

 

さらに 懲戒にまつわる制度化を行う必要があります

程度によって 減給 出勤停止 訓戒 解雇等の

懲戒を決めること。

特に 飲酒運転に関しては 至急準備しておく必要があります。

 

競業避止義務の適用

退職後 会社の機密データを持ち出す事件が多発しています。

退職した従業員の再就職先の制約を作っておく必要があります。

 

個人情報保護管理規定

平成17年4月より施行された個人情報保護法ですが

情報の漏洩のほとんどは 従業員の過失によります。

管理規程を明確にしておく必要があります。

 

携帯電話管理規程の運用

会社支給の携帯電話を私用に使ってしまい

公私混同が思わぬトラブルを引き起こしてしまいます。

管理規程を設け懲罰制度を準備する必要があります。

 

サービス残業・時間外指示書の運用

時間外については 事前に上司の指示が必要と規程し

それを守らなかった場合は懲戒処分出来るようにしておく

必要があります。賃金は「基本給と時間外手当」を

明確に分けておく必要があります。

 

始末書の運用

社員が問題を起こした場合 その都度 始末書を

書かせて履歴を残しておきましょう。

後々 解雇につながる事件が発生した折

この履歴が効力をもちます。

 

うつ病について

採用時に 必ずYG性格検査などを実施するようにします。

休職期間は短めに設定し 休職にあたっては

「休職発令書」に従うようにします。

休職期間が満了したなら 規を逸することなく

退職を勧告できるようにしておくわけです。

スライド21

スライド22

スライド23

リスクマネジメントを考える時

112

リスクマネージメントというのは

精神論だけでは機能しないと心得なければなりません。

「不正行為はあってはならない」

具体的な施策がなく 掛け声だけでは駄目で

リスクマネージメントとして機能しないのです。

 

現実的なリスクマネジメントの導入を図る必要があるわけです

不正行為はあるものだとして

リスクを減少させる施策を考えるのです

トップの宣言

教育・研修

不正行為の処罰による社員への警告

リスクを正確に把握し対処するという施策を

検証する必要があるわけです

 

内部監査による不正の発見

ホットラインによる不正の発見

自主申告への寛大な対処方法を用意する

以上を考慮しリスクマネジメントを設計してゆく必要があります。

スライド20

失敗に対する基本的な考え方

84

リスクマネジメントの基本要素となる失敗について

少し説明をさせて頂きます

 

失敗とは何か?

こうなるだろうと思って行動をしてみたが

初めに定めた目標が達成出来ないことをいいます。

ですから 行動することを止めない限り

失敗したということにはならない という考え方も出来るわけです。

 

失敗というのは予測出来るはずだと考えるのが

リスクマネジメントの基本ということになります。

 

失敗を忌み嫌い

原因究明を怠り

失敗を隠したりすることが

次の失敗を生むことになるわけですから

失敗から謙虚に学ぶ姿勢が 次の失敗を未然に防ぐことになります。

 

では 失敗の原因とは どんなものが考えられるでしょうか

不注意や判断ミスといった 失敗者自身に責任があるケース

経営トップの戦略ミスや組織・運営不良に起因する失敗

行政・政治の怠慢や価値観の変化など

  社会システムとの不適合による失敗。

 

失敗には基本的な法則があると言われています

ハインリッヒの法則という法則があります

300件のヒヤリとした経験を繰り返していると

29件のクレームをうけることになり そこでも対応策を講じないと

大きなトラブルが発生してしまうというものです。

 

世の中 失敗しない人はいないわけで

大失敗は いつも失敗要因が連鎖的に重なって起きると考え

この連鎖を断ち切れば大失敗は防げると考えるわけです

それは ヒヤリ体験に正面から向き合うことが

欠かせませないわけです。

ハインリッヒの法則


多くの失敗はヒューマンエラーで起こると言われています

失敗の情報は下から上には伝わり難く

組織の末端で孤立してしまいがちです。

失敗したことに対して 個人を責めるだけで

それで終わりとする処置では精神論で終わってしまいます。

 

情報というものは 竪の組織を縦断して伝わるのは難しいものです。

「また失敗したのか」

「またトラブルなのか」

「また奴か」

 

失敗情報は隠れたがります

失敗したことを自慢する人はいないだろうし

失敗を隠すことは人間の心理として理解出来なくはありません。

しかし ウソをついてまで隠すと

「失敗は隠せる」という罠にはまってしまいます。

 

失敗は変化しやすいものです

失敗情報は伝わってゆくうちに

変わりやすく 単純化されやすいので

責任追及の為に誇張されたり 責任をうやむやにしようと

神格化されたりしてしまいます。

失敗

2011年4月7日木曜日

経営者のリスクマネジメントの視点

56

小さな会社の経営者が意識すべきリスクというと

大きく分けて 6つあります。

このリスクに対して ひとつひとつどのように対応するか

心して決めておくことが いざという時役に立つわけです。

 

法務リスク
PL法、知的財産権、環境汚染、株主代表訴訟、M&A

財務リスク
不良債権、売掛債権、企業買収、投資、資金調達

労務リスク
雇用問題、社員、役員の不正、機密漏洩、セクハラ

災害リスク
天候、地震、津波、集中豪雨、台風、竜巻、洪水

事故リスク
火災、爆発、交通事故、労災事故、停電事故

コミュニケーションリスク
顧客クレーム対応、マスコミ対応、情報セキュリティ

 

risuku

2011年4月6日水曜日

コンプライアンスの3つの柱

79

コンプライアンスには3つの柱があります

社内規範 ・・・ 社内規定・マニュアルなどのルールを守る

倫理規範 ・・・ 社会の常識や倫理を守る

法令規範 ・・・ 企業を取り巻く法令を守る

 

例えばコンプライアンスを無視した例として

以下のようなモノがあります

 

社内規範の違反としては

決裁権限を無視した顧客との口約束なんていうのがありますね

学校のPC教室システムの受注時に 故障対応用と称して

予備機材を余分に発注をし 同時にメンテナンス対応については

全て代替機を用意することを顧客と約束していた。

費用を考えるならば絶対に成立しないサービスでした。

 

倫理規範の違反としては

「ウチの社員は馬鹿ばっかり」と役員が聞こえよがしに言ってしまう

会社を機能の組み合わせと考えてしまうと

現場で戸惑っている社員に対して

ついつい不満が爆発してしまうことがあります。

「馬鹿」と言われた社員の多くは トラブルを秘密にしたまま

去っていってしまいましたね。

 

法令規範の違反としては

社長の電話による罵倒が暴力行為とみなされ

刑事事件となってしまったんですね。

 

コンプライアンス経営を実践しようと思うなら

以下のポイントに気を付ける必要があります。

 

知識ではなく意識を高める必要があります

何故ルールが存在するのかという基本が理解出来ていなければ

寄せ集めの知識だけでは すぐに忘れてしまいます。

「この程度なら構わないだろう」

「ルール違反だがバレなければ良いだろう」

 ・・・ ではダメですね

 

会社の為という言い訳を許してはなりません

会社の為という言い訳は

社会のルールを破ることに対する葛藤や

心理的抵抗を弱め その結果として不正行為を常態化させ

企業の危機の拡大へとつながってしまいます。

不正行為は会社の為にやったことで

私腹を肥やしたわけではなく 同情の余地があり

厳しい処分は不適当であるという論理が

いまだに多くの企業でまかり通ってしまっています。

 

「うまくやれ」は あかん!

「うまくやれ」と指示した時

これを「ルール違反をするな」という指示だとは考えずに

「見つからないようにうまくやれ」という指示だと

捉えてしまうものです。

この「うまくやれ」という指示は

不正が発覚した時「自分は不正をやれとは言っていない」と

部下に責任を押し付ける 自己保身の言葉でもあります。

 

女性の目を入れる

女性の方が会社の倫理観からの自由度が高く

社内で当然とされている慣習の問題点を

鋭く指摘することができるようです。

スライド14

スライド15

2011年4月4日月曜日

法の遵守と危機管理

さて 失敗から学んだ多くの中で

特に大切だと思ってことは ありきたりなんですが

法の遵守と危機管理なんですね

 

企業倫理と法令の遵守のことを

コンプライアンスと言うようですが

正に 会社に欠けていた事項なんですね

企業が瓦解するときというのは

原発が壊れてゆくようなもので

何をやってもダメでしてね

ただ ただ 崩れてゆくのを見るしかないんですな

 

もうひとつ学んだことが 危機管理なんですね。

危機管理には ふたつの視点があります

危機に陥らないための危機の予防 (リスクマネジメント)

発生した危機への対処 (クライシスマネジメント)

こうやって書いているだけでも 心が乱れてしまいますな

それほど 会社というのは 生き残ってゆくというのは

大変なことということですね

天秤

そこで いつも申し上げていたのは

小さな会社の経営者として求められるものは

新規事業の開拓

見込み客を探す

経営戦略の策定

資金調達

人材育成

優良顧客の維持管理

それと 危機管理 法の遵守

この話の重さは なかなか分かって貰えませんでした

keiei

2011年4月3日日曜日

回避は出来なかったか?

47

会社がグラグラと傾き始めたとき

私に向かって 社長が良く言っていたことに

お前と出会わなければ良かった ・・・ という言葉があります

その言葉を思い出す度に いまも 腸が煮えくりかえりますが

せっかく上場まで果たせたのに

市場から消えてしまう結果になったけれど

どこかのタイミングで 転落からの回避は出来なかったのだろうか?

どこが 健全と転落との分岐点となったマイルストーンだったのか?

いろいろ考えてみるわけですが ・・・

 

上場する前に ・・・

貧乏で 牛丼か地下鉄の切符かの選択をしなければならない

そんな時にこそ 役員同士で お金についてもっと話を

しておかなければならなかったなと思いましたね

お金を稼ぐことだけに 会社の目的を置いてしまうと

個人のパフォーマンスのぶつけ合いみたいになってしまい

経営の本質である 凡人を非凡にする組織力という発想が

馬鹿みたいになっちゃうんですね。

 

会社の将来を考える時 ・・・

安易に上場を目指すという選択をしてしまった為に

法律の怖さや 上場後の業務の煩雑さ

人材の育成や 世間の厳しい目といったことに対する

準備が出来ないまま 上場のレールに乗ってしまったので

武器を持たずに 戦場に送り込まれた そんな状況でしたから

やはり いま思えば 上場するという覚悟を

社員全員で共有することが必要だったと思っています。

上場時のインセンティブ ストックオプションばかりすが

気になって 準備すべき事項を蔑ろにしてしまうんですな。

 

会社として ・・・

情報の共有化と 権限の健全な移譲

それと 悪癖を浄化しようとする改革の力を受け入れる覚悟

これらを チャンとルール化していないと

必ず組織は 行き詰まるということです。

当時は 全ての権限が社長に集中していた為

お金やトラブルといった都合の悪い情報が社長の処で

寸断されてしまい 組織としての浄化機能が全く働きませんでした

 

そのため 会社の利益 いや 個人の都合が優先され

法の遵守や危機管理といたものには

目をつぶる なんていうことが行われていたわけです

こうなっちゃ もう 会社としておしまいですわな。

 

やはり 社長の言った

お前と出会わなければ良かった ・・・ という言葉は真実なのかもしれない

出会った為に いろいろな不可能が可能となり

可能となった為に リスクが増大し

そして あるとき 逃げ場のない破局へと向かった

そう 出会ったときから 破局は用意されていた ・・・ と

考えた時 私の怒りは静かに治まったのです

全ては 無知な自分が招き入れた結果だったと思えたわけです

 

スライド10

驚愕の事実

60

揺れ動く会社を 立て直そうといろいろ行革を試みるわけですが

会社は 社長室を中心とした派閥と その他という形で

ドンドンその溝は深まるばかりで まさかの沈没の影も

見え隠れするようになってまいりました

 

ある役員会議のことです

当社の強みは手形を発行していないことだという

話し合いをして散会して30分もしない内に

青い顔をした社長が近づいて来てひと言

「手形が落ちない」 と言い出した

手形を振り出していないのに ・・・ なぜ期日が来るの?

 

l経理から緊急の電話が入ってきた

「金庫にお金がありません」 ・・・ 金はどこに行った?

 

社長が六本木・麻布に接待用の店を作ったと自慢

そんな接待をしなければならないような仕事はしていないと

反論しても 作ってしまった後 ・・・ もう許せない!

 

何を考えているのか もう全くわけが分からなくなりました

温泉付き養護老人センター向け不動産を買収した?

自家用車として何台も外車を購入した?

紹介された3億のM&Aを、鵜呑みにして進めてしまっていた!

 

転落へのスパイラルは加速されるばかりでした

 

とうとう ある役員会で

社長の目に余る言動に対して追求することになり

社長の派閥を残して 役員全員の辞任を議決し

私も退社する運びとなったのです

ここからは 世間を騒がせる事件へとなるわけですが

あまりにも 多くのことが同時に起こりましたので

ここで語るのは止めておきましょう

ご縁がありましたら 直接 私から話を聞いてみて下さい

なかなか普通の生活では経験出来ないことを

一杯話してくれると思いますよ ・・・ 

スライド9

社長が変貌

会社の成長と共に 経営者・社員に求められる

モラルやスキルというのは 変わってゆくものだと

覚悟しておかなければならないと思うのですが

なかなか難しいようでして 会社の急成長に

経営者も社員も付いて行けなくなってしまいました。

 

社長の言動が急変したのです

いつも社員の生活を気にしていた 思いやり一杯の社長が

社員の悪口を 人前で平気で言うようになったんです

「馬鹿ばっかりや」

 

服装が急に派手になったんです

「トラ柄の裏地」

 

仕事ではないと思われる電話が増えました

「社長いらっしゃるかしら」

 

秘密が増える

社長室にこもり 一部の社員tとだけ話をするようになり

会議に出席したがらなくなってしまいました

「うるさい」

 

経理・財務について語らなくなる

「任せろ・監査役と相談する」

 

業務提携・M&A・パテント契約といった

リスクの高いビジネスでありながら事後承諾ばかりになりました

「決めたから よろしく」

 

癌の手術でしばらく休職していた私の目の前に

突きつけられた現実を 冷静に受け入れることは難しく

腹の立つことが多くなると同時に 気持ちが萎えてゆくんですね

勝手にしやがれってね ・・・

 

でも 上場に至までには 超えなければならない

山が本当に沢山ありましたから

上場を果たした途端 天下を取った気になった

社長の気持ちも分からないわけではなく

社会的責任のある会社になったことを肝に免じ

リデザインに必死になる日々が続くことになるわけです。

 

スライド8

2011年4月2日土曜日

めでたく上場は果たしたものの

62

めでたくヘラクレスに上場するにはしたんですが

突きつけられた現実はなかなか厳しいものでした。

パニックに陥った組織は 根本的な問題解決をせずに

次のステージにゆくことは出来ないわけで

スタート時に感じた 不安は 破綻への道へと

つながっていたことは 後で気が付いたわけでして

とにかく ハチャメチャな毎日を乗り越えていたという感じでした

 

会社情報の開示に伴う煩雑な作業

証券取引所 監査法人 監査役から求められる

膨大なドキュメントの制作や説明に時間と労力が取られてしまい

専門の人を追加で雇わざるを得ませんでした

 

株主への配慮

当時は 企業は株主のモノという考え方が主流でしたから

時間に関係なく入る株主からの電話への対応に

本当にクタクタでした

 

とにかくお金が掛かる

信託銀行 コンサルタント 監査法人へ支払う多額の管理費用は

IT企業の薄利なビジネスには 重たくのし掛かっておりました

 

ウソとマコトの情報が交錯して入ってくる

どう考えても怪しいパテントや業務提携 M&Aの案件が

どこからともなく入ってきて 本来の事業に集中出来なくなる

 

業務の急増に伴う人員の補強

中途採用の急増によって 企業のモラルは多様化してしまい

社内は大混乱に陥ってしまっておりました

「私の経験からするなら こうすべきである」と

みんなが言い出したら どうしようもないですよね

スライド7

失敗から学ぶ

167

上場の準備を進める中で 事業の目的がまとまってゆきました

こうやって 事業を括ってゆきますと

会社の将来としては ホールディングカンパニーを目指そう

なんて元気な話をすることになるわけでして

上場することのメリットが見えた気でおりました。

 

アミューズメント

 ゲームソフトの受託開発

モバイルサービス

 携帯電話HP制作や音楽配信EDIの開発

ナレッジマネージメント

 ドキュメント管理システムの開発・販売

パッケージソフト

 テキストマイニングツールの開発・販売

データ解析サービス

 データ・テキストマイニング分析受託 市場調査請負

社会人教育支援サービス

 e-learning コンテンツの開発・販売

M&A

 パテントをベースにした新規事業

スライド6

2011年4月1日金曜日

上場前の事業内容

52

当時流行のベンチャー企業でしたから

お金になることなら 何でも食いついて

売上につなげるという活動を続けていたので

事業内容に整合性があるようでないといった状況でした。

 

PC教室の運営(500人規模)厚生労働省の業務委託

 デジタルデバイド対策事業ということで始めた

 パソコン教室事業です

 

任天堂、ナムコ、バンプレストの受託ソフト開発

 会社を大きくした事業の根幹をなしたのが

 このゲームソフトの開発です

 

専門学校、大学向けCG研修環境の企画販売

 パソコン教室事業の延長で インフラの提案ですね

 

CADデータのデータ変換サービス

 当時は 紙の図面を電子化するということが

 ブームになっておりまして その請負サービスですね

 

CAD入力作業の受託

 もともとCADのオペレーターを派遣したいた事業が

 発端となって成長した会社でしたからね

 

WEB環境構築サービス・ドキュメント管理システム販売

 SI企業として成長してゆく為に取り組んだビジネスです

 

雇用能力開発機構からの調査業務請負

 会社の付加価値となっていたものです

 ポリテクセンターのカリキュラム設計には

 深く係わっておりました

 

こうやって並べてみますと 会社にパワーを感じますね

やはり 上場しようとする会社はというのは

勢いがあるんですね

スライド5