第22条(年次有給休暇)では
この条文は 在籍していた年月数である勤務年数と
付与する有給休暇を一覧表にしたものが基本となっています。
この場合 勤務年数は実績で判断されるとなっていますので
例えば 定年退職して引き続き嘱託として採用されたり
パートタイマー等を正規職員に切り替えたりした場合は
それまでの勤続年数は有給休暇付与換算の勤務年数として
加算することになります。
また 新たに年休を付与する場合は
基準日までに継続勤務6カ月に達していない従業員については
6カ月継続勤務しかつ 全期間出勤したものとみなして
取り扱うこととなります。
なお 出勤率が8割に達しなかった年の翌年は
年休を与えなくとも法律違反にはならないけれど
年休を与えなかった年の出勤率が8割以上となったときは
次の年には 前年も勤続年数としてカウントした
勤続年数に応じて年休を与えるものとします。
労働基準法には 年休は労使協定を締結して
計画的に付与するということもできるとあります。
この制度を活用して 祝祭日と組み合わせたり
季節的な業務の繁閑を考慮したりして
夏季休暇など連続休暇とすることができるようになります。
平成22年4月1日施行の労働基準法の改正により
労使で協定すれば5日の範囲で年次有給休暇を
時間単位で取得することが可能になったようです。
仕事と生活を調和させ また 年次有給休暇を有効に
活用するとの観点から導入されたものです。
ただ 時間単位で取得できるようになったといっても
年次有給休暇ですので 労使で協定するだけでは足りず
この旨を就業規則に盛り込んでおく必要があるということで
第6項で明記しました。
労働基準法
第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
(年次有給休暇)
第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
2 使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6箇月を超えて継続勤務する日(以下「6箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる6箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出動した日数が全労働日の8割未満である者に対しては、当該初日以後の1年間においては有給休暇を与えることを要しない。
6箇月経過日から起算した継続勤務年数 労働日
1年 1労働日
2年 2労働日
3年 4労働日
4年 6労働日
5年 8労働日
6年以上 10労働日
3 次に掲げる労働者(1週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前2項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の1週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第1号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の1週間の所定労働日数又は1週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
1.1週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
2.週以外の期間によって所定労働日数が、定められている労働者については、1年間の所定労働日数が前号の厚生労働省令で定める日数に1日を加えた日数を1週間の所定労働日数とする労働者の1年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者
4 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第1号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を、時間単位として請求したときは、前3項の規定による有給休暇の日数のうち第2号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
1.時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
2.時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(5日以内に限る。)
3.その他厚生労働省令で定める事項
5 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
6 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第1項から第3項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。
7 使用者は、第1項から第3項までの規定による有給休暇の期間又は第4項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正11年法律第70号)第99条第1項に定める標準報酬日額に相当する金額又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
8 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間は、第1項及び第2項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。
第23条(特別休暇)
第24条(育児休業および介護休業等)
第25条(子の看護休暇および家族の介護休暇)
第26条(育児時間)では
平成22年6月30日施行の 改正育児・介護休業法に基づき
仕事と家庭を両立させるために また少子高齢化への対応として
人事管理上、重要な事項として取り上げ
別途 育児・介護休業規程として作成しております。
特に 育児休業できるのは1歳未満の子を育てる
男女従業員とあったのですが 改正法により
両親とも育児休業する場合は 1歳と2カ月まで
可能となっております。
また 3歳未満の子を養育する従業員から申出があった場合は
育児休業の他に 勤務時間の短縮(6時間)と
所定外労働の免除を認めなければならないとなっております。
家族の介護に関しても 子供ひとりについては5日の範囲
ふたり以上は10日の範囲で看護のための
休暇を取得できるとあります。
第27条(裁判員等のため)では
裁判員または補充裁判員となった場合
若しくは裁判員候補者となった場合の
休暇の取り扱いについて明記しています。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律が
平成21年5月21日に施行されたことを受けて設けた条文です。
裁判員等になったことを理由に 解雇その他
不利益な取り扱いをしれはならないとされています。(裁判員法100条)
この休暇は 有給 無給 どちらでも構わないとされておりますのが
裁判所から日当が支給されることを考慮し無給としました。
第28条(割増賃金の支払いに代わる代替休暇)では
平成22年4月1日に施行された改正労働基準法に対応して
設けられた条文となっています。
割増賃金の支払いに代わる時間外代替休暇制度は
改正法により新たに設けられた制度であり
月60時間を超えた時間外労働時間数に0.25を乗じて
得られた時間数の有給の休暇を与えることにより
当該割増賃金を支払わなくてもよいとする制度なのです。
これは 従来からの2割5分増の部分については
これまで通り支払う義務があるのですが
その上に加算される2割5分の部分を
代替休暇に当てることになるわけです。
これは 労使協定書で協定するだけでは足りず
就業規則に盛り込んでおく必要があると
指摘されていることから明記したものです。
第29条(公民権の行使)では
これから選挙に行ってきますと言われたら
行かせなさいというものです。
もちろん 有給でということになります。
《 本文 》
(年次有給休暇)
第22条 採用の日から6か月経過後、次表により年次有給休暇を与える。
勤務年数 6か月 1年
6か月 2年
6か月 3年
6か月 4年
6か月 5年
6か月 6年
6か月
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
2 前項の付与は、当該年次有給休暇の算定期間の所定労働時間については8割以上出勤した場合に与える。
3 前第1項の年次有給休暇付与の基礎となる出勤率の算定について、次の各号に掲げる期間は、出勤したものとみなす。
① 年次有給休暇の期間
② 特別休暇の期間
③ 業務上の傷病による休業期間
④ 産前産後の休業期間
⑤ 育児休業期間
⑥ 介護休業期間
4 従業員は、年次有給休暇を取得しようとするときは、3日前までに事前に所属長を経て医院へ申し出るものとする。ただし、医院は、事業の正常な運営に支障があるときは、従業員が休暇と指定した時季を変更することができる。
5 当該年度の有給休暇が未行使のまま残った日数については、次年度に限り繰り越すことができる。なお、翌年度の時間単位の年次有給休暇の日数は、繰越分を含めて5日以内とする。
6 医院は、各人の年次有給休暇日数のうち5日(40時間)を限度として、従業員代表との書面による協定により、1時間単位で与えることができる。
(特別休暇)
第23条 従業員が次の各号のひとつに該当するときは、特別な休暇を与える。
① 本人の結婚 7日
② 子の結婚 1日
③ 配偶者の出産 3日
④ 父母、配偶者、子の死亡 5日
本人喪主の場合2日加算
⑤ 三親等親族以内の死亡 2日
本人喪主の場合2日加算
⑥ 女性従業員の出産
産前6週間(多胎妊娠14週間)
産後8週間(6週間を経過した女性従業員から請求があったときは、医師が、支障がないと認めた業務に就かせることができる)
⑦ 母子健康管理のための休暇
ア) 妊娠中または、出産後1年を経過しない女性授業員から、所定労働時間内に母子保健法に基づく健康診査または保険指導(以下「健康診査等」という。)を受けるため、通院に必要な時間について休暇の請求があったときは、通院休暇を与える。
イ) 妊娠中または出産後1年を経過しない女性従業員から、健康診査等において医師等の指導を受けた旨申出があった場合、次の措置を講ずることとする。
1) 小学校就学前の子を養育する従業員は、4月に始まる年度内に子供1人については、5日の範囲内で、2人以上の場合は10日の範囲内で子の看護のために休暇を取得することができる。
2) 家族を介護する従業員は介護する家族1人については5日の範囲内で、2人以上の場合は10日の範囲で家族の介護のために休暇を取得することができる。
3) 上記、1)、2)項の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業規程」で定める。
⑧ 生理日の就業が著しく困難な女性従業員が請求した場合 必要な日数
⑨ その他医院が必要と認めたとき 必要な日数
2 特別休暇を取得しようとするときは、事前に所属長を経て医院に届け出て承認を受けるものとする。ただし、緊急やむを得ず事前に届け出ができないときは、事後2日以内に届け出て承認を得るものとする。
3 前項第1号から第5号までに規定する休暇については有給とし、第6号および第7号に規定する休暇については無給とする。
(育児休業および介護休業等)
第24条 従業員は、1歳(両親とも育児休業を取得する場合は1歳2カ月)(一定の条件下では1歳6カ月)未満の子を養育するために必要があるときは、医院に申し出て育児休業し、また、子(3歳未満に限る)を養育するために必要があるときは、医院に申し出て育児短時間勤務制度の適用を受けることができる。
2 要介護状態にある家族を介護する従業員は、医院に申し出て介護休業し、または、介護短時間勤務制度の適用を受けることができる。
3 前1項・2項の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業規程」で定める。
(子の看護休暇および家族の介護休暇)
第25条 小学校就学前の子を養育する従業員は、4月に始まる年度内に子供1人については5日の範囲内で、2人以上の場合は10日の範囲で、この看護のために休暇を取得することができる。
2 家族を介護する従業員は介護する家族1人については5日の範囲内で、2人以上の場合は10日の範囲で家族の介護のために休暇を取得することができる。
3 前1項・2項の適用を受けることができる授業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業規程」で定める。
(育児時間)
第26条 生後1歳に満たない子を養育する女性従業員から請求があったときは、休憩時間のほかに1日につき2回、1回につき30分の育児時間を与える。
2 前項は、その期間は無給とする。
(裁判員等のための休暇)
第27条 従業員が裁判員または補充裁判員となった場合、若しくは裁判員候補者となった場合には、次のとおり休暇を与える。
① 裁判員または補充裁判員となった場合 必要な日数
② 裁判員候補者となった場合 必要な時間
2 本条の休暇は無給とする。
(割増賃金の支払いに代わる代替休暇)
第28条 時間外労働が月60時間を超えた従業員は、時間外代替休暇に関する労使協定に基づき、その超えた時間に対する割増賃金の支払いに代えて時間外代替休暇を取得できることとする。
2 時間外代替休暇の単位は、1日(8時間)、半日(午前の場合は3時間30分、午後の場合は4時間30分とする。)とし、代替できる最大の時間の算定は次による。
代替最大時間=(1カ月の時間外労働時間-60時間)×0.25
3 時間外代替休暇を取得できる期間は、当該時間外労働時間が60時間を超えた月の翌月1日から2カ月とする。
4 従業員が時間外代替休暇を取得しようとする場合には、当該月の末日から10日以内に医院に申し出ることとする。この申し出がなかった場合には、医院は申し出の締切日から5日以内に、当該従業員の意思を確認するものとする。なお、何らかの事情により、取得するとの意思が確認できなかった場合には、取得する意思がないものとする。
(公民権の行使)
第29条 従業員が就業時間中に選挙権その他公民としての権利を行使するために請求があった場合は、それに必要な時間を与える。
2 前項の申し出の時間については、権利の行使を妨げない範囲で変更することができる。
3 前第1項は、有給とする。